雑記
文学は人を傷つけるための道具じゃねえ、おれとアンソロジーバトルで勝負だ! 瀬戸川 ぼくも『深夜の散歩』から変わったと思いますね。それまでにも、ゲーム小説としての探偵小説の楽しさを語る文学者は何人かいましたけれど、(…) ――「ハヤカワ・ポケット…
みなさんにはこう言われる先輩になってもらいたいと思います。 タイトルからして教養主義じゃん、という突っ込みはおそらく成立するでしょうが、知り合いに「4月だから初心者向けリストを書け」といわれたので書きます。わたしはミス研を卒業してもうだいぶ…
参考(翻訳作品集成):https://ameqlist.com/sfl/lethem.htm 銃、ときどき音楽 作者:ジョナサン レセム 早川書房 Amazon ジョナサン・レセムという名前と出会ったのは十年くらい前の古本屋だったように思います。タイトルは『銃、ときどき音楽』。 コミカル…
国木田独歩も『運命論者』の中で甲が「僕は運命論者ではありません」といったに対して乙をして「それでは偶然論者ですか」と詰問させている。この詰問は単なる皮肉にすぎぬもので、運命と偶然が畢竟、同一のものであることが前提されている。 ――九鬼周造『偶…
少なくとも 姉は何かを失敗したことはなかったはずだ ――ゴブリンスレイヤー 前年に引き続き、本大賞アンバサダーを務めるゴブリンスレイヤーさん ベスト姉ヒロイン大賞とは、その年1月1日~12月31日までに発表されたアニメ作品(劇場作品も含む)のうち、姉…
※本記事は『アイの歌声を聴かせて』および『劇場版 イヴの時間』ブルーレイディスク特典ブックレットのネタバレを含みます。 未来、たぶん日本。 ”ロボット”が実用化されて久しく、 ”アンドロイド(人間型ロボット)”が実用化されて間もない時代。 ――『イヴ…
※本感想は映画および小説『君は永遠にそいつらより若い』のネタバレを含みます。 www.youtube.com 映画『君は永遠にそいつらより若い』は原作小説の話を一部ばっさりと削りつつ、それでいて小説では描き切っていなかったところに光が差すような作品になって…
TVドラマ『アリバイ崩し承ります』より 強いて拙作の特徴をあげるならば、これは、アリバイを破る従来の型とは違って、アリバイをさがす点にあるだろう。海外に例を求めれば、W・アイリッシュの長編《幻の女》とフレドリック・ブラウンの中編《踊るサンドイ…
タイトルの通り。知り合いとオンラインで一年ほどかけて読んだ。 『CMB』は同作者の『QED』シリーズに比べると本格ミステリ度は落ちるものの、独特のさめた人間観を結末に持ってくる回や、人間存在の持つ不気味さとしか言いようがない話は金田一少年や名探偵…
突然ですが、みなさ~ん! 「岡田麿里に傷つけられたことってありますか~~???」 ありますよね~~。わたしもそうです。 ついこないだ発表された新作もめちゃくちゃ傷つけてきそうでどきどきですよね。 www.youtube.com というわけで、今回は最近アマゾ…
タイトルの通りです。 先日Clubhouse*1内で「特殊設定ミステリとは何か」という部屋が開かれました。登壇者は大滝瓶太、千葉集、円居挽(敬称略)の三名で、途中からほかの作家や翻訳家が登壇するなどしていました。リスナーはたぶん最終的に100人強くらいに…
少なくとも 姉は何かを失敗したことはなかったはずだ ――ゴブリンスレイヤー 前年に引き続き、本大賞アンバサダーを務めるゴブリンスレイヤーさん ベスト姉ヒロイン大賞とは、その年1月1日~12月31日までに発表されたアニメ作品(劇場作品も含む)のうち、姉…
【追記】(2021/1/14) 昨年末にこの記事を公開した際、レヴューのできなかった作品について「情報求ム」となかば祈るような思いで書き残したのですが、このたび、とある心優しい方の目に留まりまして(!)、未確認作品について多くの情報(書誌情報のなか…
芥見下々『呪術廻戦』第106話より ・そんなSFアンソロジーは2020年11月現在、存在しない。 ・最近読んだ門田光宏『記憶翻訳者 いつか光になる』(創元SF文庫)がウェルメイドな記憶テーマのSFだった。ほかに記憶SFは存在するのか。たぶんある。 ・あらゆる読…
中学生の私が放課後の美術室で絵の具のパレットを洗っていると、喧嘩中で口をきいていない友人が横にすっと立っている。彼女は黒々とした瞳でこちらをうかがいながら、折りたたまれたルーズリーフを渡してくる。それは開いてみると手紙で、なぜか上半分が切…
幻になってしまうかもしれない百合小説を紹介する。 けれども、これをただの百合小説として紹介するのには、ためらいがある。 村松真理「ソースタインの台所」は『文學界』2006年8月号に掲載された作品で、だからジャンルとしては純文学ということになる。た…
昨年、第三象限というサークルで頒布した同人誌『あたらしいサハリンの静止点』が先日、Amazon Kindleで配信開始されました。 あたらしいサハリンの静止点 (第三象限) 作者:織戸久貴,谷林守,千葉集 発売日: 2020/08/24 メディア: Kindle版 ありがたいことに…
「凪のあすからを誤読する」という全話レビューブログのまとめです。以下リンク。各話ネタバレがあります。ちゃんと見た人だけが見てね。約束。 saitonaname.hatenablog.com saitonaname.hatenablog.com saitonaname.hatenablog.com saitonaname.hatenablog.…
残すところ2話となりました。思えば遠くへ来たものです。もうここまでくれば筆者はただの台詞を機械的に引用するパーソンになるしかないのですが*1、気を緩めずやってやりましょう。ついに感動のフィナーレだ! 第25話 好きは、海と似ている。 おふねひき前…
前々回に引き続き前回も最高のエモが抽出されましたね。しかしそれも越えていくのが『凪のあすから』です。まだまだ展開は広がるぞ。今回もちさきの感情が早々に限界になり、彼女が限界になればむろん彼もダメージを受けます。では気合いを入れてやってやり…
前回最高のエモが抽出されて呆然状態になってしまったかと思いますが、ついにここからは岡田脚本。本気でやってやらないと命を落とします。致死量のエモが襲ってきます。やってやりましょう。 第23話 この気持ちは誰のもの 汐留家の庭。晃と遊ぶまなかを見つ…
前回は美海の感情を成長させた回で、その結果(?)ついにまなかにも変化が。そろそろ終わりまでのカウントダウンが入るところですが、まだまだ話は広がります。やってやりましょう。 第21話 水底よりの使い 前回の「キスして」から続きです。「ひーくん! …
久々の単話更新です。前回はちさきの感情にフォーカスした回ですが、今回は美海です。彼女もまた複雑な感情を抱いています。やってやりましょう。 第20話 ねむりひめ 汐留家。まなかが戻ってきて一週間。まだ目覚めないままオープニングです。 放課後。ノー…
ここにきて新展開、というほどではありませんが着実に話は進んでいる『凪のあすから』です。しかしキャラクターの配置や矢印の整理はまだ終わっていません。話はさらに広がっていきます。やってやりましょう。 第18話 シオシシオ 海に降り立った光、要、美海…
なかなか複雑な展開を見せている『凪のあすから』ですがまだあと10話もあります。着実に、油断せずやってやりましょう。今回からまた岡田脚本ではなくなります。だからといって気の抜けないのがこのアニメです。よそ見していると刃物で刺されます。 第16話 …
前回の衝撃的な語りのマジックからつづいて、今回は展開編ともいえる話です。 引き続き岡田脚本。やってやりましょう。 第15話 笑顔の守り人 ちさき。時計を見ると夜の11時。前話の巴日が8時ごろという言及がありましたから、かなりの時間が経っています。…
やってきました、第2部です。第2部? 見た人はもうわかりますよね。というわけでやってやりましょう。後編スタートの14話です。岡田脚本。 第14話 約束の日 雪を踏みしめる足音。見たことあるような、けれど違う顔。ちさきです。坂から振り返り、海を見ま…
謎の全話レビューブログも2桁の大台に入りました。このペースで続けていければいいですね。5月中の完走ができたらうれしいです。今回もやってやりましょう。12話は久々の岡田麿里脚本回です。13話はちょうど半分です。 第12話 優しくなりたい 美海のアップ…
一日開けただけなのに不思議と長い時間が経ったように感じますね*1。この記事を毎回追って読んでいる人間がいるのかわかりませんが引き続きやっていきます。やってやりましょう。 第11話 変わりゆくとき というわけで今回も告白でオープニングです。髪をまと…
前回いたたまれなくなりましたが(毎回そうなっていませんか)、今回もやっていきましょう。ついに話数が2桁に突入しました。といってもまだ半分も行ってませんが……。 第10話 ぬくみ雪ふるふる 前回のいたたまれないシーンから巻き戻してスタートです。開幕…