溜め込んでしまったので、まとめて書く。

- 作者: ランドル・ギャレット,風見潤
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1978/01
- メディア: 文庫
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- 作者: 小森収
- 出版社/メーカー: フリースタイル
- 発売日: 2014/08/04
- メディア: 単行本
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現実の切り取り方としては『土曜日〜』はリアリティのレベルはほとんど現実にあるもので構成しているし、人物の行動については論理だけしか判断材料としない。それは前述したとおり、寄り添うことにならない。むしろそれは、人を推理の前で記号化させることだと思う。だからこそ曇りなく見つめる探偵の視点があるし、それでしか向き合えない事件も存在するのでは、と個人的には感じた。またこれは単なる勝手な深読みなのだけれど、視点人物は連作の最後の事件から、記憶をさかのぼって過去の事件を書いている節がある。だとするなら、世界と向き合う方法として、出来事と一定距離を保つ書き方を選んだとも言えないだろうか。ならばそれも、人としての態度そのものではないだろうか。なんて。

- 作者: ルネ・レウヴァン,寺井杏里
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2014/09/25
- メディア: 単行本
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- 作者: アレクサンダー・レルネット=ホレーニア,垂野創一郎
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2014/09/12
- メディア: 単行本
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モナ・リーザ,バッゲ男爵―他 ホレーニア短篇集 (1975年)
- 作者: ホレーニア,前川道介
- 出版社/メーカー: 創土社
- 発売日: 1975
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- 作者: アレクサンダーレルネット・ホレーニア,前川道介,平田達治
- 出版社/メーカー: 福武書店
- 発売日: 1991/02
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またこれは自分が聞いた話を咀嚼したものなのであまり信用ならないものの、「無調音楽」の概念が『両シチリア連隊』に近いのではと思った。音楽には調性というルールがあって、最終的に鳴る音が決まっているのだけれど、無調音楽がつくられる手前のロマン派では、なかなかその落ちがやってこない曲=転調をくり返す曲や調性の曖昧な曲がつくられたそうだ。それはいわば音楽の解決を先延ばしにしていくもので、その転調の追求が無調音楽に向かうのだとか(ここでの追求は、調性の否定ではないらしい)。ただ、その話を聞いたとき『両シチリア連隊』読んでいるときに感じた、解決がどこにいくのか、どんどんわからなくなっていく印象に類似していると思った。ホレーニアはべつにミステリが書けなかったわけではないし(それは訳された短編を読んでわかった)、むしろ、『両シチリア連隊』ではそのミステリをひたすら転調させていく作品だったのではないか。その追求が、一見わけのわからない小説になっているのではないかとも感じられた。もちろん、作者なりの児戯が作中には散りばめられているし、構造としては中井英夫的なものが現れているという訳者の指摘は、もっともだと思う。

- 作者: 麻耶雄嵩
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/08/06
- メディア: 単行本
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- 作者: 田島列島
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/09/22
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- 作者: 田島列島
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- 作者: 岡崎二郎
- 出版社/メーカー: 小学館
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- 作者: 久住四季,甘塩コメコ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
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*1:夜の虹彩 (ふしぎ文学館)収録。