
- 作者: 千街晶之,大川正人,戸田和光,葉山響,市川尚吾
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/12
- メディア: 単行本
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- 作者: 戸松淳矩
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2004/06/10
- メディア: 文庫
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- 作者: 戸松淳矩
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2004/07/10
- メディア: 文庫
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このミッシングリンクのつなぎ方が一作目の時点ではひとおとり説明のつくように、というレベルだったのだけれど、二作目になるとそれが意外な結びつけをみせるようにうまく用意してあって、あっとさせられるようになっている。ただ、そういう部分がほんらいであれば毒をもって語られたり、冷徹に書かれることもできるのだろうけれど、ジュニア向けということもあって、汚い部分については「しょせんオトナの世界のことだし、オレたちにはどうでもいいような話ではある。」と処理されている。彼らが成長して、オトナの世界に対してまた別の見方を身につけるようになるのかどうか。近いうちに最終作も読んでみようと思う。

- 作者: 日影丈吉
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: 単行本
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表題作は全裸にシーツで身を包んだ画家の死を描いた密室ものであるが、ディスカッションのなかから出てくる珍説はいかにも捨て推理のくせに面白いいっぽう「なぜそのような死体状況になったのか?」というホワイも心理面という別部分から示されている。とはいえ安っぽい精神分析を万能科学として犯人の指摘に使うわけではなく、ハウはハウとして、そしてホワイはホワイとして分別したうえで書き上げているため、現在になってもじゅうぶん読め、かつ心理的な謎についても上品な出来に仕上がっている。こういう書き分けがちゃんとできているのは、やはり日影が探偵小説、とりわけ本格ものについて意識的だったからなのだろう。解説によれば、当時の宝石誌上では「小栗虫太郎のペダンティックな小説の評価にかねがね疑問を抱いているが、日影の古典解釈は謎の解釈に必要欠くべからざるもので単なる小栗式装飾ではない」と書かれたこともあるくらいで、小栗のような良くも悪くも《いかがわしさ》のにじみ出る作品に首をかしげてしまうような人は間違いなく楽しめる。
特に力作でありシリーズ一作目の「枯野」は少女による新興宗教の教祖殺しという導入からしてすでに魅力的なのだが(しかも犯人と思われる少女は自殺している)、なぜ犯人は教祖を殺してから死体の足を縛らなければならなかったのか、という現場に残された謎もそれ以上に推理小説的な興味をそそる。とりわけアグリという少女の日記をもとに、彼女の見ていた神話物語の解釈を類推し語っていくパラノイアックな捜査の迷路は圧巻で、そこからどうにか犯人や犯行方法を突き止めたというところで、まるで夢から醒めたような結末の描かれ方がされてしまう。そうした真実(と向い合せにある妄想)と探偵役との距離のとり方がじつによくできている。なにかを幻視する瞬間とそれが消えゆく無常観というのはデビュー作「かむなぎうた」にもあったように記憶しているけれど、この『善の決算』もまたそうした作品で、現在は全集でしか読めないのが非常にもったいない。

- 作者: 青崎有吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/12/17
- メディア: 文庫
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![小説すばる 2016年 01 月号 [雑誌] 小説すばる 2016年 01 月号 [雑誌]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/511DRaaYTOL._SL160_.jpg)
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/12/17
- メディア: 雑誌
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小説すばるにも青崎有吾の短編が載っているとのことで読む。いわゆる伏線会話劇なのだけれど、いかに面白い推論をするかというゲームとしてもじゅうぶん面白い。オチのひねりが弱いといえば弱いけれど、伏線のしのばせ方とキャラ描写の組み合わせ方がやはり上手いと感じた。

- 作者: ゆうきとも
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/12/14
- メディア: 新書
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