アイカツフレンズ!を誤読する。1話

※本記事は、『アイカツフレンズ!』の作品内容について、細かく言及することを目的としています。


1話 「ハロー フレンズ!」

友希あいねはスターハーモニー学園の普通科に通う女の子。
中学2年生に進級する春休み、学園のトップアイドル・湊みおに出会う。友達を作るのが大得意なあいねは、すぐにみおとも仲良くなるが、みおからのお願いを引き受けたら、なんと一緒にアイカツ!のステージに立つことに…!?

脚本:柿原優子 絵コンテ:五十嵐達也 演出:藤井康晶 作画監督:宮谷里沙

以上、ホームページより。


■アバン
・大きな川、時計塔の鐘の鳴り響く街
・川に映る、走る人影
・「あっ、あいねちゃんだー」野菜を抱えている主人公、友希あいね。
・「やっほー。えりちゃん、元気?」「おうちのお手伝い?」「うん、ひまりちゃん、いろはちゃん、また遊ぼうね!」
→友人(モブ)の名前がちゃんと言及されるあたり、”友達”というものが作品にとって重要であるということがわかります。
→家のお手伝いをしているのも、適度なお利口さを感じさせます。


・看板(ペンギンカフェ)
→元ネタはペンギンカフェオーケストラでしょうか(詳細不明)。

・「おかえりー」という言葉から実家が喫茶店(無印いちごちゃんが弁当屋さん、スターズが洋菓子店であったので順当といえます*1


・ともだちアルバム(Vol.24)
→同年代だけでなく、文具や魚屋のお店の人とも友達になっています。人力FB感。
→ところで写真に写っている制服がOPなどと違いますね。このころはまだ普通科の制服を着ていたためでしょう。
・「目指せ、友達百万人」があいねの口癖です。
・サイバーな雰囲気の黒電話が鳴ります「デリバリー頼んでいい?」
・家族とペンギン(オウサマペンギン?)に見送られ、出発。


■OP
たぶん別記。


■Aパート
・桜の舞い散る街。運河。
公用語は日本語ですね。

・ランチのデリバリーに来たあいね。
→たまき「やだもー、あの子ったら。また勝手に注文しちゃったの?」
→登場前に、どこか協調性のなさがうかがえます。
→この説明の入れ方はうまいですね。つよいマイナスイメージを与えずに、意図的に主人公を誘導するフックにもなっています。


・林のなかにたたずんでいる湊みお
→輝いてます。

→どうやらこのときの描写を見るに、木の手触りを確認しているようですね。
→おそらく3話への伏線でしょう*2
→といっても、たんに他人と関わるのが苦手ということもあるでしょうか。こちらは6話への伏線ともいえます。


・「綺麗な子だなあ…」
→初見で頬を染めています。つよいですね。
→これまでキュートなあいねに対して、クールなみおの登場です。彼女自身はまだ口を開いてもいません。演出のエグさがうかがえます。
→「こんにちはー」と手を振るあいね。子供っぽくていいですね。元気。
→いっぽう、微笑むだけのみお。ささやかな対比ですね。
→そしてまた頬を染めるあいね。短時間における反復です。エグい。つよい。


・「「トマトバジルチーズのスペシャルサンドイッチ!!」」
→「なにしているの?」「えっ、いまは休憩中よ」からの会話のかみ合わせ方がいいですね。だんだんと寄っていくこの感じ。
川島緑輝ハッピーアイスクリーム!」


食レポ
→HPの情報によれば、「トマトバジルチーズサンド」は特に好物のようです。このときから好きになったのでしょうか?
→サンドイッチが好きなアイドルといえば、当然みなさんの頭には、霧矢あおいさん*3が浮かぶとは思いますが……。


・撮影
→みおはブランド「マテリアルカラー」のミューズ兼デザイナーです。
→バッグを臙脂色に変え、差し色を入れています。
→これも3話や、今回の伏線といえるでしょう。


・フレンズ(ユニット)を組む相手
→「だれか、頼めるあてはあるの?」「ないですけど…」ぼっち属性ですね。
→「ダイヤモンドフレンズ」になることがみおの目標のようです。
→さりげないところですが、ここで、ふたりの目標が出揃いました。
→まだOPふくめ6分半です。ものすごい情報量ですね。
→「たまには、まったく想定外の子と組んでも面白いかもしれないわよ?」


・ふたたびペンギンカフェへ。
→今度はみおが訪れます。
→あいねからみお、みおからあいね、ときれいな話運びがおこなわれています。ダブル主人公の面目躍如といったところです。
スマホアイカツモバイル)をあたりまえのように使っているのもいいですね。デジタルネイティヴ


・「あなた、さっきの!?」
→二度目の鐘が鳴り響いています。胸が高鳴ります。


・「ドロケイって…?」
→どうやらみおは中学二年ながらも、ドロケイを知らないようです。
→たぶん一緒に遊ぶ友達がいなかったのでは…。
→「人手があると助かるなあ…」ちらりとみおを見るあいね。


・手すりをすべっていくあいね、みお
→ふたりとも運動力が高いのでしょう。
→良い子は真似をしてはいけませんね。怪我のもとです。


・「こんなふうに公園で遊んだのなんて、久しぶり」
→中学二年生とはいえアイドルなので。


スマホに着信
→会話に気を遣って、黙って離れていくあいね。こういうのいいですね。


・あいね「だって、友達でしょ?」
→とはいえ、みおはまだこの言葉にピンと来ていない様子です。
→おそらく、今後のストーリーでふたりの関係が深まっていくのでしょう。
→「ビビッと来たわ!」みおの口癖です。
→「ドーンと来い!」あいねの口癖です。


・「いっしょにアイカツ、してくれる?」
→はじめてアイカツという言葉が出ましたね。9:52〜。ここでAパート終了です。


■Bパート
・「きゃるーん!」
→妹の口癖です。
・神城カレン、明日香ミライのラブミーティア
→彼女たちが「ダイヤモンドフレンズ」、つまりはみおの憧れの存在、といったところでしょう。
→詳しくは2話で語られるようです。


・「素敵でしょ、あのドレス」「ダイヤモンドドレスの輝きは、トップアイドルの証なんだよ!」
→ドレスを身にまとうことが重要な意味合いを持つアイカツシリ−ズですが、今回はしょっぱなから強烈な目標点が設定されています。
→勝てる……のか?


・さりげなく食事の配膳をするあいね
→「お手伝い」はさまざまに及んでいるようです。
→ほかの姉妹がしていないというところから、彼女の性格が浮かび上がってきます。


・通っているのは「スターハーモニー学園」
→1作目は「スターライト学園」、二作目「四ツ星学園」。
→比べると「ハーモニー」つまりは調和といったところが重要な概念となりそうです。校章にはハープが。


・「みおちゃんといえば!」

→「スターハーモニー学園のトップアイドル!」
アイカツ!スタイル|カタログ:アイカツ!スタイルタイムズ|プレミアムバンダイ|こどもから大人まで楽しめるバンダイ公式ショッピングサイト
アイカツスタイルタイムズは上記のリンクから読めます。

→”#苦手なもの「集団行動」”じつにエグいですね…。



・「でも、友達が困ってたら断れないよ!」
→あいねの性格の根本的な部分が出てきました。
→スターズでは才能に潰される人間の話を書いた柿原優子*4ですから、いつ爆弾を落としてくるかわかりません。
→われわれはこの”友達”ということばに怯えるしかありません。


普通科1年F組 友希あいね
→いまは春休みですね。翌週から2年生です。
→たまき「みおと組みたいアイドルは山ほどいるのに。どうして普通科の子?」
→みお「ビビッと来たんです!」口癖です。
→しかし、集団行動が苦手ということは、じつはユニットを組めるほど信頼できる相手がこれまでいなかったのでは…?
→疑惑は6話にてさらに深まります。


・修行パート
→ランニングの掛け声「アイ!カツ!アイ!カツ!」
→伝統のセンスオブワンダーですね。
→腹筋:みお「801、802…」
→腹筋:あいね「123…」
→スペックの差が出ています。
→といってもあいねも中一の女の子ではかなり高い水準だと思いますが…。
→しかし、レジェンド星宮いちごさんは休憩中に腹筋をはじめるのでまだその域ではないですね…。


・みお「あなたとなら、いいフレンズになれると信じてるわ」
→「みおちゃん…」頬を染めるあいね。
→いやー、つよいですね。ほんとうにつよい。
→日が暮れるまで練習をつづけるふたりです。


・フレッシュ!フレンズライブ
→ライブ当日です。大人気のみお。
→「みおちゃんってほんとうにトップアイドルなんだなあ…」
→仕事中のみおを見るのははじめてなので、こういった感想が出てくるわけですね。
→みお「おはようございます」
→あいね「こっこんにちは!」
→苦笑いのスタッフ。
→芸能界ではいつでも「おはようございます」が基本であることを踏襲しつつ、でも説明しない対比です。いいですね。


・ふたりの「スタイルドレス」
→みお「ブルーリンクコーデ。チェックに入っているピンクがポイント」
→たまき「あなたのドレスはアクティブなイメージのピンクリンクコーデ」
→「チェック模様とスカーフに水色を取り入れて、ふたりで並んだときのバランスもばっちり!」
→お互いのイメージカラーを混ぜ込んだドレスです。つよい。
→あいね「あたし、こんな可愛いドレス着るの、はじめて!」


・みお「ドレスはアイドルのいちばんの味方よ」
→大空あかりさんを思い出させる台詞です。


・「いままでに着たドレスは全部、わたしのアイドルとしての大切な思い出」
→あいね「友達アルバムみたい!」「友達ができたらページを増やしていくの」
→ふたりのつながりが、カードのバインダーと、友達アルバムとで見えてきました。


・本番前、表情の変わったみおに対し、緊張を隠せないあいね。
→これも対比ですね。

→ところで、あいねのリボンは水色。みおのカバンはピンクと互いのイメージカラーが画面に映っています。
→からのアップ「「トマトバジルチーズのスペシャルサンドイッチ!!」」
川島緑輝ハッピーアイスクリーム!」


・「あたし、みおちゃんと友達になれて、ほんとよかった!」
→みお「あ…うん!」はじめて頬を染めるみお。
→ただの「うん」じゃないんですね「あ…うん!」なんですね…。
→一回目の「トマト…」とはふたりの配置が逆になっているのは意図的でしょうか?


■ステージ楽曲「アイカツフレンズ!
アイカツシステム
→すごいですね…。センスオブワンダーです。
→なぜ古代遺跡&空中都市なのかは謎です。
→スターズではよくわからないけど特定の個人がシステムによって”選ばれてしまう”と才能によってすり潰される悲劇がありました。
→今回はそのようなダークな側面があるかどうかはわかりません。
アイカツシステム≒ロストテクノロジー*5


・「出会えて/ほんとに/よかった」
→歌詞がその直前の台詞にオーバーラップしてします。
→このような演出は無印時代によくありましたね。


・たまき「初ステージなのにフレンズアピールまで出すなんて」
→特殊なカットインのあれのことですね。
→つまりはゲージがたまると打てる必殺技のようなものでしょう。
→端的にいえば「息ぴったりだったわよ、あなたたち」


・「アイドルってすごいんだね!」
→家で妹や姉がラブミーティアに見ていたときはピンと着ていなかったあいねですが、ここに来てその魅力に気づいたようです。


・みお「アイドルになったら、カードも友達、応援してくれるファンも友達」
→この台詞がどうものちのちまで響くのではないか、という予感がしています。
→「友達百万人、絶対できるわよ」
→「行こう、一緒に!あいね!」
→鐘が鳴り響きます。絶対運命黙示録ですね。
→手を握るふたり。微妙に肌の色が違うのがいいですね。


・あいね「友達と一緒なら、喜んで!」
→鳥たちが羽ばたきます。ふたりの旅路を祝福しているかのようです。


・そして友達アルバムには、みおとあいねのツーショットが。

→完璧なストーリーテンリングですね。文句なしです。
→ここには描かれていませんが、みおのドレスもきっとバインダーに閉じられたことでしょう。
→「大切な思い出」になったわけです。


■ED
→たぶん、別記。
→全編CGですが、とにかく可愛らしいですね。
→登校中の風景でしょうか。
→すこし物憂げな表情のみおが、あいねの姿を見つけて微笑むまでの流れですね。最高。




次回は飛んで、現在配信中の6話について誤読していきたいと思います。よろしくお願いします。

*1:子供もふだんから意識しやすいサービス業といったあたりでしょうか

*2:湊みおが空いた時間を使って、ドレスに使う素材や質感のアイデアをメモしていることは3話で語られるため。

*3:穏やかじゃない!

*4:シリーズ構成

*5:ターンAガンダム黒歴史のような…? いやないか…。