アイカツフレンズ!を誤読する。7話

※本記事は、『アイカツフレンズ!』の作品内容について、細かく言及することを目的としています。


7話 ミライへ続く道


ラブミーティアのミライからの指名で、あいねはドラマ『アイドルは魔女!』のゲスト出演が決まった。
練習を重ね、完璧にセリフを覚えたはずなのに、ミスを連発してしまう。
そんなあいねを外に連れ出すミライ。ミライ流の励ましとは!?

脚本:千葉美鈴 絵コンテ:米田光宏 演出:米田光宏 作画監督:西島加奈・渡辺舞

以上、ホームページより。



 今回も誤っていきたいと思います。

 第7話は憧れの先輩キャラのひとり、明日香ミライさんが中心となるストーリーのようです。ホームページのキャラ紹介によれば高校二年生。ということは中学二年のあいねやみおからすればかなりのお姉さんですね。十代における年齢差はそれだけで年上を大人にみせてくれます。

「ダイアモンドフレンズカップ」という耳慣れない言葉が載っていますが、おそらくこれが、アイカツフレンズにおけるトップアイドルを決める大会なのでしょうか。また、スターハーモニー学園の卒業生とありますから、無印やスターズのように高等部があるわけではないようですね。今後、このあたりの掘り下げがあるのかもしれません。

 というわけでちょっと奇抜なお姉さんキャラ、明日香ミライとは何者であるのか、誤読していきましょう。


■アバン
・夜の倉庫街。
→麻薬取引現場でしょうか。明言はされていませんが、地味にヘヴィーなネタですね。
→月を背負ってミライの登場。
→なにとはいいませんが、オマージュっぽいですね。
→組員っぽい人々は猫になりました。にゃーん。この落差。リアリティがぶっ壊れています。
→「この世に悪がある限り、アイドル魔女は今日も往く!」

・画面が引き、スマホに表示されていた映像だということがわかります。
→そういえばこれまでのシリーズでは空中に映像が投影されていることが多かったのですが、こちらはノーマルに現代技術といった感じですね。
→みお「一見子供向けかと思いきや、深いテーマで大人も夢中になっちゃう大人気の連続ドラマ!」
→実質アイカツシリーズへの言及のようなものですね。

・『アイドルは魔女』の主演、明日香ミライについて。
→みお「やさしくて、とっても綺麗で」
→あいね「つよくて、芯があって」
→「「カリスマアイドル魔女!!」」

・そしてドラマへのゲスト出演が決まります。
→相変わらず早い展開ですね。たった二分半です。

■Aパート

・あいね「あたしがドラマ…でもどうして?」
→たまき「主役のミライのご指名よ」
→「この前、ラブミーティアのMCのオーディションがあったでしょう」
→「そのとき、あいねを見て、なにか感じるものがあったそうなの」
→さりげないですが、こう、お仕事がつながるっていいですね…。ほんとうに…。

・みおの演技指導を受けるあいね
→緊張ですぐ不自然になってしまうあいねい比べて、芸歴のあるみおは慣れています。
→さらにエマ、舞花も登場。
→エマはアクション映画の主演経験あり。見る限りかなり体幹がよさそうですね。
→そして舞花はミュージカルのヒロイン経験あり。
→蝶乃舞花を演じる美山加恋さん自身もミュージカル経験があるようです*1。このあたりは脚本の妙といったところでしょうか。

・車のなかで会話をするラブミーティアのふたり。
→カレン「でも、演技未経験なんでしょう」
→ミライ「あいねちゃんにお願いする役って、とってもワクワクする役なんだ」
→「あいねちゃんの顔が思い浮かんじゃった!」


・撮影当日、車から登場するみお。
→みお「説明します、たまきさんが急なトラブル対応で〜たまたまオフだったわたしが同行することになりました」
→前話の「あいね、来ちゃった」*2を思い出すムーヴですね。
→たぶん合流前にまた練習してたんじゃないでしょうか…自分のキャラに合うように…。今回みおは演技もできることがわかりましたし、その説が高まります。
→いや、じっさいはふたりの会話の通り「あいねのことが心配」で「ミライさんに会えるのがうれしい」のでしょうが…。

・撮影現場に案内するみお。
→やはり慣れていますね。
→対して、驚いたり、興味津々のあいねです。

・一発オーケーを出すミライ。
→南野監督「なんのなんの〜」
→わかりやすいノリのキャラですね。

・あいねを紹介するみお。
→「あの、きょうはよろしくお願いします」
→先に声をかけるあたり、先輩としての行動がとれています。



・マネージャーらしく、進行表を手にとってやってくるみお。
→みお「あいね、最初の撮影はみんなで特訓したシーンよ」
→あいね「…」
→みお「特訓どおりやれば大丈夫。頑張って」
→あいね「…」
→けれども、優しいみおの言葉は届きません。そのまま撮影に突入し、NGがつづきます。


・休憩中

→みお「ご迷惑をおかけして、申し訳ありません」
→あいね「すみません!」
→あいねより先にみおが言葉を出すのがいいですね。
→言葉遣いの違いはありますが、しっかりと頭を下げるあいね。
→もしかするとお店のお手伝いのなかで学んだのかもしれません。

・控室
→あいね「台詞は全部憶えているのに…」
→みお「練習しよっか? わたしが相手になるよ」
→相変わらずみおは優しい言葉をかけますが、ナーバスになっているあいねには届きませんね。
→このあたりが、まだお互いのことを理解しきってはいない、という部分なのかもしれません。
→みおは自分にできるケアをしようとしますが、それがあいねにとってうまくはたらくわけではないことに、自覚していないようです。
→そこに「やっほー」と気さくな雰囲気でやってくるミライ。
→ミライ「ちょっと、あいねちゃん借りていい?」


■Bパート
・撮影スタジオの外
→あいね「あの、外出てもいいんですか?」
→ミライ「わたしたちのシーンは夕方から撮ることになったから、大丈夫」
→根回しがいいですね。

・カフェにやってきたふたり。
→ミライ「ここのスイーツはおいしいだけじゃなく、チガカワなんだな」
→「チガカワ」という言葉に合わせて曲調が変わっています。変化そのものがわかる演出ですね。

→あと何気ないですが、ケーキにフォークを差し込んだあとにその表面に生地やチョコレートがつくのいいですね。細かい。
→あいねはオレンジジュース、ミライはコーヒーでしょうか。ここも細かな違いですね。
→あいね「あっ、ふつうと違って可愛いから、チガカワ?」
→ミライ「ピンポーン! そういうのってワクワクするよね?」

・ミライ「トモスタに写真のせよっと」
→トモスタグラム。この世界におけるインスタグラムのようなものでしょう。
→フォロワー八百万…強者ですね…。


・場面は変わって、川沿いの道へ。汽笛の音。

→ここでようやくミライの私服の全身がしっかりと映ります。
→ちょくちょく映っていましたが、カメラの位置を下げている*3のは印象的ですね。
→左右非対称の色をした脚が、目を引きます。
→ミライ「ねえ、次はあれに乗ろっか」
→あいね「水上バス?」
→トモスタを活用しているだけあって、写真を撮りまくっているミライ。
→3話でぶれぶれの写真を撮っていたみおとは対照的ですね。
→ささやかですが、これも対比でしょう。ホビーを使っているのがニクい演出です。


・ミライはさらにあいねを連れまわします。

→ミライ「ミルキージョーカー。わたしがミューズを務めるブランドのお店だよ」
→ここで、ミライはあいねにリボンをプレゼントします。
→ミライ「じゃあ、あいねちゃんの衣装に追加しちゃおう」
→あいね「いいんですか?」
→ミライ「うん。わたし、スタイリストも兼任してるから」

・ミライ「ドレスやアクセサリーって自分を高める大切なもの」
→「自分のそばでいちばんの味方になってくれる存在だもん」
→あいね「そっか! 友達ってことですね!」
→得心した様子のあいね。うれしそうです。カード≒ドレスも友達。1話のメッセージがつながっています。


・またここで、ようやく明日香ミライの本質めいたものが見えてきました。
→左右非対称なデザインの服といい、人にモノを分け与えて元気づける行動といい。
→つまり、サーカスの道化師(ジョーカー/クラウン)ですね。
→みおは言葉であいねをケアしようとしていましたが、それに対してミライは行動の人です。
→道化師は言葉をしゃべりませんから、こうして、あいねを連れまわすことにこそ意味があるということです。
→よく自分でつくった風船を子供分け与える姿が道化師にはありますが、それがドレスになっています。


・撮影スタジオに戻ってきたふたり。
→あいね「あの、ミライさん。あたしのこと、励ましてくれようとして…?」
→ミライ「そう思う?」
→あいね「違うんですか?」
→「さあ?」とはぐらかすミライです。道化師は多くを語りません。

・みおと合流したあいね。
→みお「トモスタ見たよ」
→「もう、人の気も知らないで…」と今回積極的にかかわることのできなかったみおです。
→トモスタは、ミライにとっての友達アルバムのようですね。
→「ドーンと来い!」といつもの台詞も出るようになりました。


・改めて本番
→ミライ「気づいてないのね、あなたこそ、アイドル界に奇跡を起こす存在なのよ」
→意味深な言葉ですね。ドラマチックアイロニー


■ステージ楽曲「アイデンティティ
→ドレスはバニーパレードコード。
→ミライ「可愛いだけじゃない、チガカワなドレス!」
→サーカスの曲芸や舞台を思わせるつくり。
→道化師のような帽子も見えますね。
→「わたしは異色」「違っていいんだ」
→そういうわけで、明日香ミライというキャラクターの本質と先輩らしさが垣間見える回でした。


・ドラマ放送
→地上波と思われます。
→トモスタ。いいね!が「25,806件」ついています。
→あいねの人気がどんどん上がっていくということで、これから忙しくなりそうです。
→また、あいねの友達アルバムもこうしてアップグレードしていくようですね。

次回はCM。湊みおさんがまた頑張るようです…。
彼女には最高にハッピーになってほしいですね。

どんなビッグバンが起きるのか、気になりつつ次回もまた誤っていきたいと思います。チガカワ。