2014-01-01から1年間の記事一覧

2014年11月

先月はあまり読めなかった。絶叫城殺人事件 (新潮文庫)作者: 有栖川有栖出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/01/28メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 9回この商品を含むブログ (87件) を見る数年ぶりに再読。短篇集。以前読んだときはあまり意識していなか…

土曜日の夜は寝つけない

小森収『土曜日の子ども』を読んだのはもう数ケ月も前のことで、それについての感想は前に書いたのだけれど*1、どうやら自分の思っている感想とは違う見方が大半だったことを最近よく実感している。ただ人と話していくつか意見を共有していくうちに、そうし…

2014年8月/9月/10月

溜め込んでしまったので、まとめて書く。魔術師を探せ! (ハヤカワ・ミステリ文庫 52-2)作者: ランドル・ギャレット,風見潤出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1978/01メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (22件) を見る長編『魔術師が多すぎる…

SOW小説と叙述トリック

以下の文章は、叙述トリックとSF小説は似ているか、ミステリにSF的な面白さを導入できないか、という浅知恵に基づいて書いたものです。 けっして体系的に読めているわけではないものの、ミステリはその構造上、登場人物の整理をしてからでないと事件を起こし…

2014年5月

(P[に]2-3)林の中の家 仁木兄妹の事件簿 (ポプラ文庫ピュアフル)作者: 仁木悦子出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2010/09/07メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (13件) を見る法月綸太郎がクイーン国名シリーズを引き合いに出すく…

斎藤肇『雪割り坂の殺人 思い出せないプロローグ』への覚え書き

斎藤肇『雪割り坂の殺人 思い出せないプロローグ』が発表されて、二週間ほどが経った。今年に入ってから何冊か作者の本を探しては読んできたので、早速注文してみた(注文は言い値書店https://www.iineshoten.com/book/153/とDLマーケットhttp://www.dlmarke…

2014年4月

夏の死 (講談社ノベルス)作者: 斎藤肇出版社/メーカー: 講談社発売日: 1991/08メディア: 新書この商品を含むブログを見る殺意の迷走 (天山ノベルス)作者: 斎藤肇出版社/メーカー: 天山出版発売日: 1989/04メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見る先…

2014年3月

先月、ネムキプラスで連載していた川原由美子+伊咲こゆる名義による学園メタミステリ(?)漫画、『マカロンムーン』が終わっていた。作者名義の後者になぜか別作品の登場人物が入ってくる、かつ掲載誌の公式ツイッターまでもが作者名プラス先生という呼び方…

2014年2月

昨年から途切れがちになってしまっているが、なるべく気になったものは書いておく。月ごとなどにせず、読んだらすぐ書くほうがいいかもしれない。クジラの子らは砂上に歌う 1 (ボニータコミックス)作者: 梅田阿比出版社/メーカー: 秋田書店発売日: 2013/12/1…

詠坂雄二「悟りの書をめくっても」のこと。

ミステリ短編深夜徘徊と銘打ってカメレオンに書いたぶんはすでに終わっているけれども、この場を通して推理小説の短編について語っていくことは続けていこうと思う。いままでシリーズにするような形にしていたのは、もとになった会誌の見開き2ページで一回…

犯人当て小説 かめれおんの夜(ミステリー編)

カメレオンVol.29の回生企画、『かめれおんの夜』に書いたもの。会誌がそこまで売れてるとは思えないので、ここに載せてしまうことにする。扉絵は担当入魂の一枚だったのだが、白黒印刷になったため、あの水色が灰色になってしまったのは残念だった。せっか…

しろくまが多すぎる

『かくれおんだョ! 全員集号』に掲載。 トリックについてはOBの先輩とバカミスについて話し合っているうちに考えたもの。そのときの季節のまま書いたので、掲載時期と季節的なズレある。その先輩いわくバカミスの定義は「手段と目的が逆になってしまったも…

ミステリ短篇深夜徘徊その4 北村薫「ビスケット」

気を抜いたら年が明けて、前回の更新からひと月が経っている。年末に書き終えるつもりだったのだが。 このコラムじみたものでは最後に扱った作品で、話題にした四作品のなかでもとりわけ知名度の低い作品だと個人的には感じている。なぜならこの作品は北村薫…