- 作者: 斎藤肇
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1991/08
- メディア: 新書
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- 作者: 斎藤肇
- 出版社/メーカー: 天山出版
- 発売日: 1989/04
- メディア: 新書
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いっぽう『殺意の迷走』はというと、作者が得意とするお約束を逆手にとるタイプの作品なのだけれど、トリック含め、すでに今現在では手垢のついた印象を受ける。ただこちらも推理ゲームのロケハンに推理小説をもとにして作られた城へ行くというねじれた自己言及性がみえる舞台設定だったりする。
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/03/20
- メディア: 単行本
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その根底にはおそらく、日常の謎(定義はともかく、そのようなもの)を書くために作者が用いた逆説的な発想があるのではないか。古典部シリーズに「連峰は晴れているか」という単行本未収録の短編があるのだけれども(野性時代掲載のちアニメ版のBD/DVDの特典となったらしい)、あれはまさしく日常に対する逆説的な構図が結末として用意されていた。ネタバレを避けるため、もっと射程を広くしていえば、日常を舞台にした作品を書こうとするために、非日常である状況を先に頭のなかに設定し、それ以外の状況を描くということだ(これは日常の延長によって生まれるミステリとはあきらかに違うだろう)。その線引きとして民法や刑法、条例といった社会のルールが存在するということ。さらに言い方を変えるなら、大人が必要になる論理と、子供だけで完結できる論理。その違いに意識的である書き手がどれだけいるのだろう。
- 作者: 青崎有吾
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2014/04/20
- メディア: 単行本
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