雑記

『ぼっち・ざ・ろっく!』でギターをはじめたい人のための覚え書き

陰キャならロックをやれ!!!! ーーはまじあき『ぼっち・ざ・ろっく!』初版帯コメント 目指せ、ギターヒーロー。 【※】このブログは『ぼっち・ざ・ろっく!』を見て、ギターをはじめようと思った人に向けて書いています。 はじめに まず一言。 ぜったい1~2万…

For RIKKA ZINE vol.1 Theme : Shipping(rejected)「宇宙移動美術史のために」

linktr.ee SF書評家・翻訳家の橋本輝幸さん主催による同人誌『RIKKA ZINE』vol.1 のテーマ「Shipping」の公募に送り、リジェクトをいただいたものを改稿して以下に載せます(もともと8000字規定でしたが、改稿の過程でオーバーしました)。 よければお暇潰し…

Kaguya Planet果樹園SF選外作品「時間のかかる密室」

virtualgorillaplus.com 上に応募していたのですが選外になり、どうしましょうかと思っていたところ、 https://t.co/sVtOj1si7Q — VG+ (バゴプラ) | SFメディア (@vagopla) 2022年10月11日 のスペースで最初に講評をいただいたので、せっかくのことですし、…

あなたの知らない(百合)について 曹麗娟「童女の舞」

台湾セクシュアル・マイノリティ文学[3]小説集――『新郎新“夫”』【ほか全六篇】 (台湾セクシュアル・マイノリティ文学 3) 作品社 Amazon その年の夏、私たちは十六歳で、南台湾で一番暑い街にいた。バスがアクセルを踏んだとき、彼女はその前方に駆けてきた。…

(新)本格ミステリの罪とはなにか――北山猛邦『月灯館殺人事件』を誤読する

【本ブログ記事では北山猛邦『月灯館殺人事件』の内容への言及があります。ご注意ください。】 月灯館殺人事件 (星海社FICTIONS) 作者:北山 猛邦 星海社 Amazon わたしたちがおこなっていたのは、ほんとうに「伝言ゲーム」だったのでしょうか。 北山猛邦『月…

2022年上半期よかったものブログ

タイトルの通りですが、まともに生きていないので、本と音楽くらいしか言うことがない。そのときそのときで面白いものはブログに適宜書いていましたが。そちらが見たい場合は、いい感じに遡ってくださると助かります。やっていきましょう。 安井高志歌集『サ…

2022年上半期に映画館で観た映画感想メモ

タイトルの通りです。年末になって思い出すのがかなりめんどくさい、という問題がありさっさとやっておく。基本は原稿作業とかのあいまにリフレッシュ目的で観に行っているので、タイミングを逃したりすることがかなりあった。『マイスモールランド』と『犬…

第4回百合文芸小説コンテストでpixiv賞をいただきました。

ご報告です。 ふだんならFANBOXのほうでお伝えするのですが、現状ではあまり積極的に使う気持ちにもなれませんでしたので、こちらのブログのほうでご報告いたします。 以下リンク。 www.pixiv.net www.pixivision.net www.pixiv.net というわけで、自分の書…

ケンイチくんシリーズ再読メモ①「メンツェルのチェスプレイヤー」

・大学時代に感銘を受けた〈ケンイチくんシリーズ〉を読み直したい。 ・得るものがあるかはわからない。 ・ほんとうはネット上に作者が公開していた『デカルトの密室』参考文献リストをチェックしたいが、消えてしまっているのでわからない。 ・自分の知識は…

終わらない解釈ゲーム――小川哲「スメラミシング」を誤読する

あなたは今、わたしがどういう意味でいったのか、といわれましたね? ――エラリイ・クイーン『ダブル・ダブル』(青田勝訳) 鯨庭『言葉の獣』より ※【注意】本記事は小川哲「スメラミシング」のネタバレを含みます。 文藝 2022年夏季号 河出書房新社 Amazon …

ストフィクVol.3連動企画『ゲームミステリアンソロジー:総あたり殺人事件』について

文学は人を傷つけるための道具じゃねえ、おれとアンソロジーバトルで勝負だ! 瀬戸川 ぼくも『深夜の散歩』から変わったと思いますね。それまでにも、ゲーム小説としての探偵小説の楽しさを語る文学者は何人かいましたけれど、(…) ――「ハヤカワ・ポケット…

教養でなく、新入生にすすめる国内ミステリ20冊

みなさんにはこう言われる先輩になってもらいたいと思います。 タイトルからして教養主義じゃん、という突っ込みはおそらく成立するでしょうが、知り合いに「4月だから初心者向けリストを書け」といわれたので書きます。わたしはミス研を卒業してもうだいぶ…

ジョナサン・レセムの短編を読む

参考(翻訳作品集成):https://ameqlist.com/sfl/lethem.htm 銃、ときどき音楽 作者:ジョナサン レセム 早川書房 Amazon ジョナサン・レセムという名前と出会ったのは十年くらい前の古本屋だったように思います。タイトルは『銃、ときどき音楽』。 コミカル…

推理小説と〈偶然〉という回路について

国木田独歩も『運命論者』の中で甲が「僕は運命論者ではありません」といったに対して乙をして「それでは偶然論者ですか」と詰問させている。この詰問は単なる皮肉にすぎぬもので、運命と偶然が畢竟、同一のものであることが前提されている。 ――九鬼周造『偶…

2021年ベスト姉ヒロイン大賞

少なくとも 姉は何かを失敗したことはなかったはずだ ――ゴブリンスレイヤー 前年に引き続き、本大賞アンバサダーを務めるゴブリンスレイヤーさん ベスト姉ヒロイン大賞とは、その年1月1日~12月31日までに発表されたアニメ作品(劇場作品も含む)のうち、姉…

三原則の向こう側――『アイの歌声を聴かせて』が『イヴの時間』から受け継いだもの

※本記事は『アイの歌声を聴かせて』および『劇場版 イヴの時間』ブルーレイディスク特典ブックレットのネタバレを含みます。 未来、たぶん日本。 ”ロボット”が実用化されて久しく、 ”アンドロイド(人間型ロボット)”が実用化されて間もない時代。 ――『イヴ…

他者の痛みに気づかないことは悪いことなのか 映画『君は永遠にそいつらより若い』感想

※本感想は映画および小説『君は永遠にそいつらより若い』のネタバレを含みます。 www.youtube.com 映画『君は永遠にそいつらより若い』は原作小説の話を一部ばっさりと削りつつ、それでいて小説では描き切っていなかったところに光が差すような作品になって…

「アリバイ探し」ミステリを探しています。

TVドラマ『アリバイ崩し承ります』より 強いて拙作の特徴をあげるならば、これは、アリバイを破る従来の型とは違って、アリバイをさがす点にあるだろう。海外に例を求めれば、W・アイリッシュの長編《幻の女》とフレドリック・ブラウンの中編《踊るサンドイ…

『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』を全巻読んだ雑感

タイトルの通り。知り合いとオンラインで一年ほどかけて読んだ。 『CMB』は同作者の『QED』シリーズに比べると本格ミステリ度は落ちるものの、独特のさめた人間観を結末に持ってくる回や、人間存在の持つ不気味さとしか言いようがない話は金田一少年や名探偵…

岡田麿里を考える会――『空の青さを知る人よ』を誤読する。

突然ですが、みなさ~ん! 「岡田麿里に傷つけられたことってありますか~~???」 ありますよね~~。わたしもそうです。 ついこないだ発表された新作もめちゃくちゃ傷つけてきそうでどきどきですよね。 www.youtube.com というわけで、今回は最近アマゾ…

特殊設定ミステリよもやま話

タイトルの通りです。 先日Clubhouse*1内で「特殊設定ミステリとは何か」という部屋が開かれました。登壇者は大滝瓶太、千葉集、円居挽(敬称略)の三名で、途中からほかの作家や翻訳家が登壇するなどしていました。リスナーはたぶん最終的に100人強くらいに…

2020年ベスト姉ヒロイン大賞

少なくとも 姉は何かを失敗したことはなかったはずだ ――ゴブリンスレイヤー 前年に引き続き、本大賞アンバサダーを務めるゴブリンスレイヤーさん ベスト姉ヒロイン大賞とは、その年1月1日~12月31日までに発表されたアニメ作品(劇場作品も含む)のうち、姉…

【2021/1/14追記】あの森へ向かうために 彼岸泥棒a.k.a.見富拓哉(不)完全レヴュー

【追記】(2021/1/14) 昨年末にこの記事を公開した際、レヴューのできなかった作品について「情報求ム」となかば祈るような思いで書き残したのですが、このたび、とある心優しい方の目に留まりまして(!)、未確認作品について多くの情報(書誌情報のなか…

『記憶SFアンソロジー:ハロー、レミニセンス』について

芥見下々『呪術廻戦』第106話より ・そんなSFアンソロジーは2020年11月現在、存在しない。 ・最近読んだ門田光宏『記憶翻訳者 いつか光になる』(創元SF文庫)がウェルメイドな記憶テーマのSFだった。ほかに記憶SFは存在するのか。たぶんある。 ・あらゆる読…

あなたの知らない(百合)について 島本理生「七緒のために」

中学生の私が放課後の美術室で絵の具のパレットを洗っていると、喧嘩中で口をきいていない友人が横にすっと立っている。彼女は黒々とした瞳でこちらをうかがいながら、折りたたまれたルーズリーフを渡してくる。それは開いてみると手紙で、なぜか上半分が切…

あなたの知らない(百合)について 村松真理「ソースタインの台所」

幻になってしまうかもしれない百合小説を紹介する。 けれども、これをただの百合小説として紹介するのには、ためらいがある。 村松真理「ソースタインの台所」は『文學界』2006年8月号に掲載された作品で、だからジャンルとしては純文学ということになる。た…

言語SF「グラス・ファサード」創作メモ

昨年、第三象限というサークルで頒布した同人誌『あたらしいサハリンの静止点』が先日、Amazon Kindleで配信開始されました。 あたらしいサハリンの静止点 (第三象限) 作者:織戸久貴,谷林守,千葉集 発売日: 2020/08/24 メディア: Kindle版 ありがたいことに…

凪のあすからを誤読するまとめ

「凪のあすからを誤読する」という全話レビューブログのまとめです。以下リンク。各話ネタバレがあります。ちゃんと見た人だけが見てね。約束。 saitonaname.hatenablog.com saitonaname.hatenablog.com saitonaname.hatenablog.com saitonaname.hatenablog.…

凪のあすからを誤読する19(25~26話)

残すところ2話となりました。思えば遠くへ来たものです。もうここまでくれば筆者はただの台詞を機械的に引用するパーソンになるしかないのですが*1、気を緩めずやってやりましょう。ついに感動のフィナーレだ! 第25話 好きは、海と似ている。 おふねひき前…

凪のあすからを誤読する18(24話)

前々回に引き続き前回も最高のエモが抽出されましたね。しかしそれも越えていくのが『凪のあすから』です。まだまだ展開は広がるぞ。今回もちさきの感情が早々に限界になり、彼女が限界になればむろん彼もダメージを受けます。では気合いを入れてやってやり…