習作

第2回星々短編小説コンテスト一次通過作品「彼女のチケット」

昨年末にささっと書いていた小説が一次通過していました(最終には残りませんでした)。発表するあてもないのでここに置いておきます。お暇つぶしにどうぞ。 www.hoshiboshi2020.com 第2回「星々短編小説コンテスト」の募集テーマは〈映画〉でして、そういえ…

ウォルター・テヴィス『クイーンズ・ギャンビット』、BOSS DS-1X(Distortion)

雑記はつづける意味があると思うのでつづけている。いまのところ二、三日に一回ペースだけど、月末は忙しくてそんなこと言ってられないかもしれない。 ウォルター・テヴィス『クイーンズ・ギャンビット』 クイーンズ・ギャンビット(新潮文庫) 作者:ウォル…

For RIKKA ZINE vol.1 Theme : Shipping(rejected)「宇宙移動美術史のために」

linktr.ee SF書評家・翻訳家の橋本輝幸さん主催による同人誌『RIKKA ZINE』vol.1 のテーマ「Shipping」の公募に送り、リジェクトをいただいたものを改稿して以下に載せます(もともと8000字規定でしたが、改稿の過程でオーバーしました)。 よければお暇潰し…

Kaguya Planet果樹園SF選外作品「時間のかかる密室」

virtualgorillaplus.com 上に応募していたのですが選外になり、どうしましょうかと思っていたところ、 https://t.co/sVtOj1si7Q — VG+ (バゴプラ) | SFメディア (@vagopla) 2022年10月11日 のスペースで最初に講評をいただいたので、せっかくのことですし、…

犯人当て小説 かめれおんの夜(ミステリー編)

カメレオンVol.29の回生企画、『かめれおんの夜』に書いたもの。会誌がそこまで売れてるとは思えないので、ここに載せてしまうことにする。扉絵は担当入魂の一枚だったのだが、白黒印刷になったため、あの水色が灰色になってしまったのは残念だった。せっか…

しろくまが多すぎる

『かくれおんだョ! 全員集号』に掲載。 トリックについてはOBの先輩とバカミスについて話し合っているうちに考えたもの。そのときの季節のまま書いたので、掲載時期と季節的なズレある。その先輩いわくバカミスの定義は「手段と目的が逆になってしまったも…

かくれおんリレー小説第二話

かくれおん―旅立ち号―に掲載。 他の人が考えた話に上乗せする形で話を続けていく、つまりはリレー小説企画というものをやっていて、その第二話を担当した。急に変な言い回しや、アニメのネタが出てくるようにしたのは前作者の話に乗っかったため。ラノベ調?…

飲食店にて

かくれおん―田辺追悼号―に書きました。 恩田陸『Q&A』の形式って、大抵、調子乗ってるヤツがやりたがる印象。 それで、あなたは本当にそこに住んでいたんですね。 「ええ、もう一年以上も前になりますが……」 その話、詳しくお聞きしてもいいでしょうか。 「…

死人主義

しびとしゅぎ、と読む。個人的には伝わりにくい読み方の題名や名前は避けたかったのだけれど、久々にタイトルを真面目に考えたので。基本的に○○の○○、ばかり。野性時代で大沢在昌が短篇はそれでいい、みたいなことを言っていたけれど、結局はとっつきやすさ…

日曜日の立方体

久々の習作。五月に入ってからというもの、自分がなにを書きたいのかわからなくなる、というアレに落ちる。 とりあえず主人公の年齢を上げてみて書いてみる、という考えのもと、夫婦と娘の三人の間で交わされる話を書く。規則的なものをもっていない自分の文…

子育て相談始めました。

以下は昨年11月の学祭で発表したDMSの会誌「カメレオン Vol.27」の回生企画『カフェ黒猫』に掲載されたショートショート。 私は珈琲の香りが好きだ。 世間にはあれを泥水などという輩がいるらしいけど、私はそんなの決して認めない。おなかがユルユルになっ…

Oracle

推理小説書いててふと嫌になったので頭に浮かんだのをそのまま書く。文章は汚い気がする。 「俺たちってさ」と、隣の奴が唐突に呟いた。 けれどこいつはいつもそうだから、別に困らない。なあに、と私は言う。ハンドルを強く握るフリをする。 「なんつーか、…