陰キャならロックをやれ!!!!
ーーはまじあき『ぼっち・ざ・ろっく!』初版帯コメント
【※】このブログは『ぼっち・ざ・ろっく!』を見て、ギターをはじめようと思った人に向けて書いています。
はじめに
まず一言。
ぜったい1~2万円くらいのギターと周辺機器ぜんぶ揃ってますって感じの入門セットだけはネット通販で買わんといてくださいよ!!!
(楽○市場とかヨド○シとかサク○楽器とか)
(メーカーとしては、Leg○ndとか、Phot○genicとかです。あれはコスプレ写真を撮るひとが使うような、音の出るだけの廃材だと思ってください。あれは楽器ではないです)
なぜかというと。
①普通に音が悪い
ミニアンプで鳴らす程度なら気にならないけど、デカいアンプにつないだり、宅録をはじめたりしたとき、まともな環境にすればするほどつくりが雑なのでノイズがザーザー鳴って酷いです(よくあるのが内部の配線がひどい)。笑えません。
②ピッチ(音程)が怪しい
基本的に生産時にお金をかけていない=粗悪品の可能性が高いので、楽器としてあまり信用ができません。
③変な癖がつく
ボディに妙に重い木材を使っていたり、弦の高さがおかしかったり、ふつうのギターであれば5くらいの力でコードを弾くことができるのに、10の力をかけないと綺麗に鳴らなかったりする。それに慣れるだけであんまりよくない癖がつきます。
④修理対応がめんどい
届いた時点でネックが反っている可能性があります。要するにゴミを掴まされる可能性が高いので、なるべく通販ではなく、実店舗に足を運んで買いましょう。実店舗であれば、ちゃんと店員さんが最低限の商品チェックはしてくれます。物によっては保証もつきます。ちなみに実店舗でも楽器店オリジナルブランドというものがあり、そこも結構あやしいラインのものが混じっているので気をつけましょう。
詳しくは『ぼっち・ざ・ろっく!』原作五巻を参考に読みましょう。
事前に知識を入れておこう
お伝えするのが遅くなりましたが、とりあえず買う前にインターネットバンドマンの良心の塊こと、エレキギター博士による初心者向けの記事を読むことをおすすめします。これを知っていると、楽器屋に行っても「?」にならず、とりあえず見た目の違いや有名なメーカーあたりくらいはわかるようになるはずです。つまり、このくらいの下調べはしておいたほうが、騙されることがない、というか後悔が減ると思います。
ぼっちちゃんみたいなギターヒーローになりたい! じゃあお金はどのくらい用意すればいいの? というそこのあなた。入門品としてそれなりのものを……と真面目に考えたら、だいたい本体と周辺機器合わせた価格で5万は要るんじゃないでしょうか。(上述のギター博士も本体に3万は出そうと言っていますね)そのあたりになると、まあまあ使えるレベルのもの(楽器としての最低成立ライン)になります。
それ以下のもの買うということは、音の出る廃材かおもちゃを買うものと思ってください。それで満足できるならこの記事は読まなくてOKです。
ぼっちちゃんの声を担当している声優・青山吉能さんがギター入門するYOUTUBEの動画がありますが、そこで彼女のために用意されているのがEpiphone Les Paul Customになります。ぼっちちゃん本人が作中で使っているギターはGibson Les Paulというもので、形はおなじなのですがメーカー・ブランドが違います。EpiphoneというブランドはGibsonの廉価版メーカーと思っていただければ結構です。
ぼっちちゃんのギターってレスポール・カスタムじゃなくてレスポール・スタンダードのカスタム仕様っぽいですね pic.twitter.com/vCmQGi6rMW
— こいち (@koichizikan) 2022年11月2日
識者の見解としては、レスポールカスタム風にレスポールスタンダードを改造したものではないか、というところらしいです。このあたりの意味がわからない人はてきとうに読み飛ばしてください。要するにグレードとか装飾とかスペックとかの違いによって名前が変わっているものと思ってください。
じっさいのところ、ギブソンとエピフォンではそもそも原材料もパーツも職人さんによる手のかかり具合も違うため、音も引き心地もだいぶ違うのですが、価格帯によって出てくる細かい違いがちゃんとわかるようになるまではそれなりにギターに習熟する必要があります。ある程度弾けないと、なにが楽器としてうれしいかもわかりませんからね。
加えて、そもそも挫折したときがつらいので、初手で20万を越えるハイエンドモデルは買わないほうがいいです(わたしは『けいおん!』のアニメがはじまってクソ高いベースを買っては飽きて売った人をたくさん見てきました……)。まあ出して10万。このくらいだとエントリーモデルよりも一、二段階いいものになります。
ギターを弾くようになって、なんかいまの音じゃ物足りないな、もっといいものがほしいな、二本目がほしくなったな、というときには、おそらく聞いている音楽の趣味じたいも変わっている可能性がありますし、そのときにはレスポールじゃないギターがほしくなっている可能性もあります。すくなくとも耳は肥えているはずです。
またぶっちゃけると通販のほうが若干安いし精神的にはかなり楽、なのですが、前述の通り、なんらかのトラブルがあったさいの修理対応等をやってもらうのを考えると実店舗で買ったほうがいろいろと助かりますし、店員さんのアドバイスも参考になります。めちゃくちゃデカいダンボールに大量のプチプチ君で梱包して配送料を自腹で捻出して修理してもらうなどを厭わないなら通販でどうぞ。
また、ぼっちちゃんが普段使っている「音ハウス」とはサウンドハウスという通販サイトのことです。どこよりも価格が安く、品揃えも豊富で発送も早いので、バンドマンは最終的にここにたどり着いて日々消耗品を買っていきます。
ちなみに上記のYOUTUBEで青山吉能さんが使うことになるぼっちちゃんモデルに似たギターは、それなりにいいものなので、サウンドハウスでは9万を越えていますね。まあ見なかったことにしましょう。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/313452/
実際の楽器店について
じゃあどこに行けばいいのか?
東京なら渋谷か御茶ノ水に楽器屋さんが集中しているので、そこにあるちゃんとしたお店で買うのがベストです。とりあえず御茶ノ水の明治大学の前の通りを適当に歩くのがいいと思います。大阪なら茶屋町あたりでしょうか。地方は……わかんないです。たぶんこの数年のコロナ禍でだいぶ沈んだんじゃないかな……。
で、行けるなら、そこに行って、自分の出せる予算(最大5万?そこはご自由に伝えよう、でも高い方がぜったいいいのが買えるよ)と、好きなバンド(コピーしたいバンド)の名前を数種類ほど店員さんに伝えて、こんな感じのがやりたいんです~~っていえば、じゃあこのあたりのギターがいいですよ、と教えてくれるはずです(そこまで言って答えてくれない店員さんはたぶんいないと思うので……)。
また、お金がないよ!! という方には中古市場の楽器の購入をおすすめします。なぜなら安くなっているときであれば、場合によってではありますが、5万のものがほぼ新品と変わらない状態で3万で買えたりします。大きな楽器屋だと、必ずといっていいほど中古楽器ゾーンがあるのでとにかく行ってみて探してみましょう。掘り出し物があればあなたの勝ちです。
ただし、
①中古なので思い入れは雑になります(安いのはすでに傷がついてるからです)。
②楽器屋さんに半年~一年の修理保証付きかどうかを聞いておきましょう。
③フレットおよびトラスロッドの状態を尋ねましょう(将来、メンテや修理ができない状態のものを買うのはもったいないので)。
④ジャンク品は買わないでください(ふつうに弾けるものを買いましょう)
⑤なにがあっても中古品を買ったのだから、文句は言えないことを理解しましょう。
その覚悟ができるなら、中古品に手を出してください。
あとは楽器検索サイト、デジマートを見まくってほしい楽器の価格帯に関する知識をつけておきましょう。ただしどんなにいいのがあっても買うのは自己責任です。なるべく実物を見て買っておくべきです。虹夏ちゃんもそう言っています。
本体については以上です。次はアニメの描写を拾っていくコーナーになります。
ぼっちちゃんの使っている周辺機器について考えようのコーナー
微妙にデザインは違いますが、おそらく意識されているのはこれのグレー配色のやつですね。ぶっちゃけいちばん真似が簡単で、特に損のない買い物になります。初心者からプロまで使っているので安心です。
フェンダーのストラップは2010年代中期?くらいに素材が変わってファンからいろいろと言われていたんですが、それはもうどうにもならないので気にしなくて結構です。ちなみにぼっちちゃんの色はスタンダードラインナップのため基本的に年中買えますが、時期によっては発色の綺麗な限定色が出回ったりします。スペックに違いはないので、とりあえず好きな色を探して買っておきましょう。
・アンプ(YAMAHA THR5)
ぼっちちゃんいいもん使ってんな~~!! というのが感想です。ぶっちゃけ室内用のアンプなんてレコーディングとかで使う気がなければ、中古価格3000円から5000円で買えるやつでとりあえず音が出ればじゅうぶんなので。
ふつうに新品で二万を超えるのはそれなりの音が出るし、いいやつです。もしかしたらお父さんの趣味かもしれませんね。これなんかはPCにつなげたりして録音できたり、そっちで細かい調整等もできるらしくて、最近の機材はハイテクでええですな~~。
・弦(エリクサー)
「ギターと孤独と蒼い惑星」の二番の歌詞で「エリクサー」と出ているのでこれですね。ゲージ(弦の太さ)はわかりませんが……。ちなみに円安の影響でこの半年で1セットあたりの単価が1.5倍になりました。クソがよ……。
・オーディオインターフェース(Steibergg UR22mk2)
配色からしてUR22のシリーズのどちらかでしょう。
スペックはだいたいおなじで、USB-Cに対応しているとか、そのあたりの細かい差があるくらいです。これがあるとPCとギターやマイクをつなげて録音(宅録)ができるので、だいたいDTM(デスクトップミュージック)をはじめた民はこれを買います(なぜならこれがいちばん手頃な入門モデルなので)。またこれにはバンドルで無料版のDTMソフトがついてくるので、いちおうこれさえあれば作曲も可能な環境が揃うことになります。揃うだけ曲が勝手に完成するわけではありませんが……。
一時期はコロナ禍のタイミングによってか、Vtuberやゲーム実況者などの需要が激増してとにかく値段が上がったり、生産が追いつかなかったりしてたんですが、いまはふつうに買えそうですね。ぶっちゃけこれがあるとPCにイヤホン直差しよりぜんぜん音質が変わって聞こえるので、オタク的にはけっこう重要なアイテムだったりします。
・エフェクター(BOSS BD-2 ブルースドライバー?/BlackStar LT BOOST?)
基本の音はマーシャルのアンプでつくってるわけだし、クリーンブースターで音圧を底上げしてリードギターの見せ場をつくるなら、LT BOOSTのほうがそれっぽいですね。もちろんそれはBOSSコンでも変わらない部分っちゃそうなので、大きな意味はないかもですね。でもブルースドライバーを使っているぼっちちゃんがthe pillowsのBlues Drive Monster聴いてたらめちゃくちゃエモくないですか? エモいですよね? あとふつうにギタリストが最初に買うエフェクターは八割オーバードライブなので、買うならBOSSのBD-2で間違いないでしょう。
まあじっさいは演奏の後半から思いっきりコーラスのエフェクトが入るのでこの描写嘘じゃん!!となるわけですが……。「青春コンプレックス」なんかファズとディレイも入ってくるし……。とりあえず公式がなんらかの見解を発表してくれるのを待ちたいですね。できたら結束バンドのアルバム発売のあとにシンコーミュージックあたりからバンドスコアが出てぜんぶ解決してほしいんですけど……。
とはいえ、正直初心者の段階ではエフェクターがあるといろいろと考えるべきことが増えてめんどうになるので、ライブとかレコーディングをするようになったら考えましょう。ぶっちゃけ初手では買わなくていいものです。あと単純に沼です。
参考URL→
BUMPとかNUMBERGIRLの人が使ってるクソ高エフェクターですね。こんなん買っちゃダメですよ。破産してまう。
まとめ、その他
・最低限必要なのは、
ギター本体、アンプ、チューナー、ストラップ、ピック
の五つ。追加で、
ヘッドフォン、ギグバッグ、スタンド、オーディオインターフェース、エフェクター等々。
・ギターをはじめるなら5万は出そう(中古ならもうすこし安くてOK)
・アンプはハードオフで3000円から5000円くらいになっているやつを探そう。電池で動く手のひらサイズじゃなくて、ちゃんと電源ケーブルで動くやつ。10W~15Wくらい。どんな音がスピーカーから出るのかを理解しながら弾くのが大事だし、あとはじめて電源入れて増幅された音が出るとやっぱり感動するので。
・また、アンプはふつうに頑丈なアイテムなので、べつに中古でも困ることはほぼないです。「ジャンク」って書いてるのは×ですが。できればちゃんとしたメーカーのやつ、マーシャル、オレンジ、ブラックスターあたりがおすすめ。VOXのパスファインダーは安いだけなのでやめておこう。
・集合住宅ならヘッドフォンは買っておこう。できれば音の偏りがすくないモニターヘッドフォンがよい。サウンドハウスで5000円くらい。よってアンプにヘッドフォンを挿せるかどうかはちゃんとチェックしておこう。ふつうはあります。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/25126/
・ギターケースは必要であれば、丈夫なやつを買おう(セミハードケース/ギグバッグ/ギグケース。楽器屋さんやメーカーによっては、本体を買うとケースが付属してくるときがあるので聞いてみよう)。安いやつは毎日持ち運んでるだけで底に穴が開くので、そういう活動をしている人はタオルとかを挟むと○。
・ギタースタンドはあると便利だけど、ギターの種類によってはただ置いておくだけで塗装が剥がれたりするので、店員さんに聞いてみよう。
・チューナーは「クリップチューナー」タイプのものがいまなら手頃でオススメ。スマホのアプリもあるけど、音の拾い方が微妙。クリップじゃないしっかりしたやつがほしいならKORGのメトロノーム機能つきチューナー(CA-50)を買おう。吹奏楽部はだいたいあれを使うので。
・シールド(ケーブル)はとりあえず3mのを一本買おう。プラグはS/S端子がいちばん壊れにくいよ。メーカーはこだわらなくてもいいけれど、3000円前後が相場。クソ安いやつには理由があるので気をつけよう。
・ピックは楽器屋さんで一枚100円のやつをいろいろ触ってみて、気に入った形・厚みのものをいくつかお試しで買っておこう。おにぎりタイプかティアドロップタイプかは趣味の範囲なのでどっちがいいとかはほぼないと思ってください。
・ストラップはクソ安いナイロンタイプの付属品でもいいけど、ちょっと厚みがあったほうが肩が痛くならなかったり、すべったりしないぞ。身体をいたわってあげよう。あとぶっちゃけ見た目でいじれるところはそこくらいしかないぞ。
・オーディオインターフェースは作曲やら配信やらさまざまなことをはじめたいなら買うべきですが、べつにそこまで頑張る必要はありません。アンプを買わずにPC上で完結させることもむろん可能ですが、おそらくインストールしてDTMソフトの設定であなたはやる気をごっそり失ってすべてが駄目になることでしょう。
・エフェクターはライブをするときに購入を考えよう。
最悪なギター入門RTAの例
・ほんとうに買うギターのこだわりがなく、種類とかがどうでもいいなら、正月の楽器屋セールで初日開店直後に突入、目玉とされている一点物の格安中古ギターを購入(たぶん運がよければ一万円台か二万円台でそれなりのが買える、スピーカー内蔵ギターはやめておけ)
・メルカリでギグバッグを2000円で購入(スタンドは買わない・サイズに注意)
・アンプをハードオフで3000~5000円で購入(メーカーに注意)
・シールド・ストラップをアマゾンで購入(3000+2000円)
・(クリップ)チューナーを楽器店で購入(ちゃんとしたメーカーのやつ)
・あるいは上記のものを知り合いから格安で買う/もらうなどする。
※初手ハードオフでギター購入はかなり上級者向けなのでやめておこう。
それでもほしいギターがわかんないよ、という人のために
「任意のバンド名 使用機材」で検索して、ヘッズの考察記事もしくは音楽雑誌(GIGS、ギターマガジン、プレイヤー等)のインタビュー、もしくはサポートしてる機材会社のプレリリース記事(だいたいライブ時の機材が写真つきで載ってる)をチェックしてメモる、もしくは大きめの楽器屋さんのバンドスコアコーナーに行って、立ち読みをすること。バンドスコアはあんまり本人は監修してないのでアレなのだが、一定確率で使用機材とかの写真が載っているので、とにかくメモろう。
あとはバンドのMVやライブ映像。じっさいにレコーディングに使ったものとは別のものが使われている場合もありますが、傾向はわかります。
で、そのうえで店員さんに「これに近い音が出したいんです」って言おう。そうしたらある程度は親身になってくれることでしょう。
もし、こだわるほど好きなバンドがないときは?
YAMAHAのPACIFICA(6万前後のモデル)を買おう。以上。
最後に、いちばん重要なこと
楽器の色だけは妥協しないほうがええですよ。
初心者が選べるこだわりはそこしかない、というより、むしろ音とか細かい部分よりそっちのほうが五億倍、気持ちとしては重要です。もし行ける範囲に楽器店がたくさんあるなら、根気よく色のバリエーションを探すのがいいと思います。それこそ中古品であっても、いい色があるならそれを買うに越したことはないでしょう。だって楽器を長くつづけられるかどうかはモチベーションがいちばんデカいので。
あとは教則本ですが、めちゃくちゃ基本から解説している入門書を一冊(ぶっちゃけネットにも書いてありますが、一冊覚えるというモチベとしては本があったほうがいいです)。それからバンドの「弾き語りスコア」(notバンドスコア)を一冊買って、とりあえずそれをマスターできるようになれば有名なコードがある程度まで覚えられて弾けるようになります。頑張ってください。
ギターソロとかのそれなりに高い技術についてはそのあと考えていきましょう。とにかく最初は知ってる曲が歌いながら弾ける、という楽しさを味わいましょう。
ほんとうに最後に、すごくすごく重要なこと
なにより大事なのは、これ。楽器を購入して家に持って帰ったら、My new gear... といってツイッターに機材の写真をアップしよう。だれよりもつよい承認欲求モンスターになろうね。ぜったいぜったい、約束だよ。