
私たち殺し屋です、本当です、嘘じゃありません、信じてください。 (ダッシュエックス文庫)
- 作者: 兎月竜之介,ハル犬
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/08/25
- メディア: 文庫
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という冗談はおいておき、殺し屋の女の子のふたりが電車で二人旅をし、行く先々でおバカをやらかしては、窮地(エロ漫画っぽいけどたぶんR12〜15くらいのかわいそうな目)を脱して銃をガンガン撃ちまくる話です。世界に残された移動手段は町と町を結ぶ無人の列車のみで、それぞれの町は文化的にも隔絶され、そんななか少女たちは殺し屋稼業で日銭を稼ぎ、旅を続けている、という設定を聞くととんでもなく荒廃した世界のシリアス展開があるよう思われるのですが、終始おバカな調子というか、残念な感じで進んでいくのでどうとらえたらいいのか読者側としてもわからなかったです……。ただ、注文の多い料理店形式で主人公たちが平然と武装解除するシーンがなにかからの引用でなく作者オリジナルの思いついきだったとしたなら、とってもクレバーなおバカ演出だったので最高なんじゃないかと思いました。拍手。

- 作者: 大柴健
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/02/17
- メディア: コミック
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- 作者: 大柴健
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/06/17
- メディア: Kindle版
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- 作者: マックスアフォード,Max Afford,安達眞弓
- 出版社/メーカー: 論創社
- 発売日: 2016/06
- メディア: 単行本
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ラジオドラマの生中継中の殺人、しかも密室ということで相変わらずの本格ミステリ大好きっ子向けの展開であり、もちろん探偵は引用ばっかするし、事件がわからないと警部が怒るし、光明が差しこめばまた探偵がうきうきとテンションを上げていく。つまりは国名シリーズのエラリー・クイーンに印象が近い。そのあたりは解説の大山誠一郎が国名シリーズのうち四作のネタバレ込みで語っているので、それは解説の態度として正しいのかはともかく、間違いないといえる。
さらにいえば、終盤、探偵と犯人との対決シーンがあるので、そういうのが好きな読者は読んでいてたまらないはず。推理についても国名シリーズレベルとは言わないものの、伏線やキャラクターの扱いは巧妙だと思う。以前訳された百年祭の殺人 (論創海外ミステリ)は舞台のせいかお祭り感が強く、推理(特に第二の事件)が割とチープだったけれども、今回は推理パートもなかなかの見せ場になっているのが面白い。

- 作者: エドガーウォーレス,Edgar Wallace,板垣節子
- 出版社/メーカー: 論創社
- 発売日: 2016/09
- メディア: 単行本
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- 作者: 伊吹亜門
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2015/10/13
- メディア: Kindle版
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*1:おそらく死人の声をきくがよい (チャンピオンREDコミックス)とか、りびんぐでっど! 1 (少年チャンピオン・コミックス)とかがノミネートされる枠と思われる。夏と花火と私の死体 (集英社文庫)がジュブナイルとして当時から少年少女の心をわしづかみしたようにそういう物語的欲望が、世界には、たしかに、ある。